意味は後から立ち上がるもの

大人になると人生の意味というものが、自然と心の片隅を占めるようになります。若い頃の単純な問い。

「次は何をしたいのか」というものから「これからどう生きたいのか?」「今のままでいいのか・・・」というもっと静かで複雑な問いへ変わっていきます。

そうして多くの大人たちが哲学や自己啓発、読書へ向かうのも、自然な流れなのだろうという気がします。

でも人生の意味や方向というものは、頭の中だけで固めても、どこかで行き詰まるものなんですよね。

単なる概念や言葉だけでは「次の一歩」に換わるだけの手応えが生まれないからです。

心理学者のデイヴィッド・コルブが提唱した「経験学習モデル」によると、人間の成長や学びというものは「具体的経験」から始まり「内省」「概念化」「実践」というサイクルを通して成立すると言われています。

単なる頭での理解だけでは不十分で、身をもって体験し、自身の価値や意味へ落とし込み、次へ生かしていくという一連の流れの中で、人生の輪郭が立ち上がるということです。

身を置く土地や文化、言葉が違うだけで、自身の価値観やものの見え方が一変することがあります。

単なる旅や留学であっても「予期せず身を投じた環境」が自身の人生の意味や方向性の輪郭を、自然と引き直してくれることがある。

日本で読めるどんな一行よりも、現地で出会う一瞬の出来事が、人生の方向そのものを塗り替えたりもする。

私自身、フィリピンへ行って初めて「体験でしかわからないものがある」ということを身をもって知りました。

行かなければきっと一生わからなかったものが確かにあったのです。

そしてそうした肌で感じたものだけが、自身の価値や人生の意味を後から静かに、確かなものへと育ててくれるのだと、心から実感しています。

その意味で人生というものは、本で読めるものであると同時に「身を通して紡ぎ直していくもの」であると思います!

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