フィリピンの母語と公用語はなに?どのくらいの言語がある?フィリピンの英語事情について徹底解説!

フィリピンの言語について、どれくらいご存じでしょうか?

フィリピンでは基本的に英語が話されているんじゃないの?と思われがちですが、実はフィリピンには数多くの言語・方言・民族が存在しています!
フィリピンへ語学留学に行く前に、フィリピン人の英語事情や英語以外のローカル言語についても理解を深めていただきたいです!

今回は、この数多く存在するフィリピンの言語について詳しく紹介したいと思います!留学前に覚えていると便利な現地の言葉についても少し紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

目次

フィリピンの母語・公用語

母語と公用語の違い

フィリピンの公用語について説明する前に、そもそも母語と公用語にはどのような違いがあるのでしょうか?

母語=生後数年の間にその人自身が生活の中で自然と身につけた第一言語のこと
公用語=その国や地域、また特定の場所で用いることが公式に定められた言語、あるいは国や地域において共通語として用いられている言語のこと

出典:通訳翻訳舎ホームページ

つまり、母語は家族や友だちなどの狭いコミュニティで使われており、公用語はオフィシャルな場面など広いコミュニティで使われる点が、母語と公用語の大きな違いなんです!

フィリピンの母語

母語と公用語の違いがわかったところで、フィリピンの母語が何なのかをみていきたいと思います!

実は、フィリピンには本当にたくさんの言語・民族・方言があり、母語については地域によって異なるため、ひとつに絞ることはできません。

フィリピン国内には7000以上の島々があり、本当にたくさんの言語・方言があります!その中には100以上の民族、約80~100の言語・方言が存在していると言われています。

主な言語グループ
タガログ(マニラ周辺) / セブアノ(ビザヤ地方) / イロカノ(北部ルソン) / ビコール(南部ルソン) / ワライ / パンガシナン / マラナオ など

フィリピンの民族分布図
※主要なもののみ掲載

またフィリピンは多民族国家であるため、互いに言語・方言が違い意思疎通を図ることができません。
フィリピン人の友人に聞いた所、「東京出身者が、津軽弁を理解できない」というレベルではなく、全くの外国語といった感覚のようです。。

それほど言語に違いがあると、一つの国として生活していくことは難しいですよね。
そこで、民族同士の言語・方言の違いによる言葉の壁をなくすために公用語として作られたのが、フィリピノ語というわけです!

フィリピンの公用語①:フィリピノ語

フィリピノ語のイメージ

フィリピノ語は、タガログ語を元に作られた言語でタガログ語と基本的にほぼ変わりはありません。タガログ語が主に話されているマニラが首都となったため、タガログ語を元に作られました。

フィリピノ語は、主に家族や友だちなど親しい関係の中で使われることが多いです。

フィリピンの公用語②:英語

英語のイメージ

フィリピンの公用語はフィリピノ語だけではありません!英語も公用語として活用されています!

日本語がわかるだけで殆どの人とコミュニケーションがとれる日本人としては、公用語が2つあるというのは不思議な感覚ですよね。

英語は、フィリピン国内人口の約9割以上の人々が話すフィリピンでは欠かせない言語です!英語力に違いはあれど、フィリピンに住んでいる方々のほとんどが英語を話すことができると考えても問題ありません。

世界的に見ると、国別ではアメリカ、イギリスに次いで3番目に英語を話す人口の割合が高いとされています!

英語は主に、公共な場所で使われることが多く、テレビや標識、広告などでも使われます。就職においては、英語を話すことができたほうが良い企業に入れるので、熱心に英語を学ぶ人が多い傾向にあります。

英語を公用語としている国は他にも、アイルランド・インド・シンガポール・南アフリカなどが挙げられます。

フィリピン人の英語力の背景

なぜ公用語に英語が含まれているのか?

アメリカとフィリピンのイメージ

フィリピンの公用語に英語が含まれている理由には、歴史的背景が大きく関係しています。

1900年頃からアメリカがフィリピンを統治し始めたことがきっかけで、アメリカは植民地化の一環として、英語の教育を実施し、その後フィリピンで英語が共通語として話されるようになりました。

フィリピンにはスペインにも統治された歴史があります。
そのためフィリピンの文化や言語はアメリカ・スペインどちらの影響も受けています!
特に世界遺産に登録されているビガン歴史都市は、スペインの交易都市だったことから、スペイン文化の名残りが未だに多く残っています。

ビガン歴史都市

英語がもたらす社会問題

書籍のイメージ

実は公用語が英語であることがゆえに、ある弊害があるのです。それは、「言語による国民の分断」です。

フィリピン人全ての人たちが英語を読めるわけではなく、英語を読めたとしても高度な英語力を持っている人たちは決して多くはありません。よって、英語で書かれている新聞や小説をスラスラと読める人とそうでない人たちの間で、経済的な格差が生まれることもあるようです。

識字率に差があるという点で、フィリピンでは出版に関してはあまり発達がしておらず、国内で書かれている書籍は少ないです。

英語が話せるということは重要なことではありますが、英語によってフィリピン自体の文化・言語の発達がしづらくなってしまったという事実もあるようです。

教育の現場では、どの言語が使われている?

多言語を自由自在に操るフィリピン人は、どのように言語を習得しているのでしょうか?

フィリピンでは基本的に小学1年生から英語の授業が始まります。そして小学3年生からは国語・歴史以外の授業は全て英語で行われるようになります!

日本と比べ、幼い頃から学校でも積極的に英語学習をしていることが分かります!

前述のとおり、フィリピンでは将来的に良い就職をしたい場合は、英語ができなければならないという考えが浸透しているため、高いモチベーションを保って熱心に英語学習をする学生が多いようです。

フィリピン人の英語力はどれくらい?

会話をする人たち

フィリピン人の英語にはフィリピン特有の多少の訛りがあるといわれています。

しかし、他の英語圏でも十分に通用する英語力であるため、高い英語力を持っていることは事実のようです!

そもそもイギリスとアメリカなどでも、国によってアクセント等の違いが多々あることから、「正しい英語」の基準はあるようでないのかもしれませんね。

フィリピンはスペインによる統治の期間が長かったため、地域によってはスペイン語と同じような訛り方をする場合もあります。

フィリピン独特の英語ルール
例)欧米などでは、名前を呼ぶ際に「Mr.」「Ms.」をラストネームの前に入れるのが一般的なのですが、フィリピンでは、ファーストネームの後に入れて呼ぶというルールがあります。

留学する上で覚えておきたい現地語!

最後に、覚えていると便利なフィリピンの現地語を少しだけご紹介したいと思います🌟

日本でも、外国人から日本語で挨拶されると嬉しいですよね!

フィリピンに留学する人は、現地の人々とコミュニケーションをする良いきっかけになると思うので、ぜひ簡単なものだけでも覚えてみてくださいね!

Harry

今回は数ある言語の中でも特に使う人が多い「ビザヤ語」を紹介したいと思います!

日本語ビザヤ語
名前を教えてください(オンサイ イモン ンガラン)
unsa’y imong ngalan
私は〇〇です(アコ シ 〇〇)
ako si 〇〇
〇〇から来ました(ギカン コ サ 〇〇)
gikan ko sa 〇〇
何歳ですか?(ピラ ナ マイ イモ イダージ)
pila na may imong edad?
こんにちは(マアヨン ハポン)
maayong hapon
おはよう(マアヨン ブンタグ)
maayong buntag
こんばんは(マアヨン ガビィ)
maayong gabii
さようなら(アディオス)
adios
良い一日を(マアヨン アドラウ)
maayong adlaw
お元気ですか?(クムスタ)
kumusta?
ありがとう(サラマァト)
salamat
久しぶり!(ドュガイ ナ タ ワ マグキタ)
dugay na ta wa magkita

おわりに

今回は、フィリピンの言語について詳しく紹介しました!フィリピンは英語のイメージが強いですが、国内には本当に多種多様な言語・民族がいるのです。

また、フィリピンは幼い頃から積極的に英語学習が行われている傾向があり、就職に向けて熱心に勉強する学生が多いことも分かりました。フィリピンの英語は多少の訛りはありますが、やはり熱心に教育が行われていることもありネイティブのアメリカ英語と本当に変わらないので、留学には本当にピッタリであると思います!

そして英語により言語の壁ができてしまうというフィリピンならではの問題も深刻な問題であると思います。我々は母語・公用語が一致しているので弊害は特にありませんが、言語が多く存在する国ではこのような社会問題が起きてしまうことも知っておかなければなりません。

留学に行く前にぜひ英語だけではなく、現地の言葉や歴史について理解を深めてから行くと、より留学を楽しむことができるかもしれませんね!

言語のイメージ
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次