【ジョリビー】フィリピン発ファストフード店No.1を徹底ガイド!大人気の理由やマクドナルドとの対決の行方に迫る!
フィリピンには言わずと知れた国内で人気No.1のファストフード店、「Jollibee(ジョリビー)」。
ジョリビーのハンバーガーなどは、ソウルフードとまで称されるほどの圧倒的な支持を得ており、ジョリビーへ赴くことは、フィリピンの食文化を体験し、味わうことであるといっても過言ではないでしょう…!
今回は、ジョリビーの歴史やその人気の理由、メニュー、キャラクター・グッズ紹介、マクドナルドとの戦いや海外進出状況など、皆さんがフィリピンへ行った際、ジョリビーをより楽しんでいただくための徹底解説をしていきます!
また、その他フィリピンの伝統料理一覧についてはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、チェックしてみてください!
ジョリビーの歴史
フィリピンの町の至る所には、あの赤い看板と蜂のマスコットキャラ・ジョリビー君が現れ、店内は老若男女たくさんの人達で賑わっています。
フィリピン人のソウルフードともいえるジョリビーですが、どのようにしてこれほどまでにフィリピン人を魅了し、フィリピンNo.1のファストフード店に成長したのか、その歴史を見ていきましょう!
ジョリビーは1975年に創業者で現会長でもあるトニー・タン・カクチョン氏がマニラでアイスクリーム店を開いたことが始まりです。そして更なるシェアの獲得のためと、顧客の「温かいスナックの提供をしてほしい」というニーズを汲み取り、ホットドッグ、ハンバーガー、フライドチキン、パスタと販売種目を拡大していきました。
温かいご飯の提供により、売り上げもさらに伸びたため、1978年にはアイスクリーム屋からファストフード店に切り替えることを決意し、今のJollibeeの前身であるファストフードレストラン「Jolibe」が誕生しました。
当時はマクドナルドもフィリピンに進出しておらず、ハンバーガーを食べられるレストランはとても珍しいものでしたが、Jolly Bee(愉快な蜂)と意味を持たせた「Jollibee」へのスペル変更や、マスコットキャラクター登場を通して、フィリピンにおいて「ファストフード店」、そして「Jollibee」の存在が身近なものになっていきました。
ジョリビーの人気の理由
なぜ、ここまでジョリビーがフィリピンにおいて人気なのか、そして国内にとどまらず、海外への進出が成功しているのか、その秘訣を見ていきましょう!
フィリピン人好みのメニュー展開
1981年にはMcDonald’sもフィリピンに参入しましたが、Jollibeeはフィリピン人好みな味付けでターゲットをフィリピンに絞っていたため、Jollibeeの絶大的な人気は揺らぎませんでした。
フィリピン料理は基本的に甘めの味付けであり、数々の伝統料理、家庭料理も甘めの仕上がりのものが多いです。なので、ジョリビーではハンバーガーやスパゲッティなどに、トマトケチャップではなくバナナケチャップという甘いケチャップを使用しており、甘いもの好きなフィリピン人には打ってつけの味付けとなっています。
またフィリピンは世界屈指の米消費大国であるほど、お米をよく食べる国でもありますが、他のファストフード店ではあまり見られないライスとのセットメニューが用意され、定番メニューとなっています。
そうしたフィリピンの国民性・食文化に正面から切り込み、フィリピン人の食文化や嗜好を的確に把握したメニュー開発と提供を行ったため、フィリピン人の心と胃袋をしっかりと掴むこととなりました。
2015年にトリップアドバイザーが発表した「世界で最もお米を食べる国ランキング」によると、フィリピンは世界第7位の325グラム(1人当たりの1日の消費量)と報告されています。一方、日本は第50位の119グラムで、フィリピン人の米の消費量は日本の約2.7倍であることがわかります。
フィリピンでは、カフェ、ホテルのバー、コンビニ、パン屋さんに至るまで、とにかくライスメニューが用意され、欠かせない存在となっています。最も身近なファストフード店・ジョリビーにおいて、ライス付きの格安メニューが様々に用意されていることもその証拠の一つといえるでしょう。
日本もお米が主食ですが、フィリピンほどのメニュー展開ではありませんね。消費量が倍であることにも頷けます。
戦略的なマーケティング
ジョリビーはフィリピンでのみローカライズされたメニュー作りをしているわけではありません。
各進出国の食文化も意識しており、例えばベトナムではチリチキン、ブルネイではナシレマという国民食の提供を行っています。
ファストフード店でありながら、「ファストフード=ハンバーガー」といった固定概念にとらわれず、それぞれの国に根差したメニュー作りや店作りをしていることが、世界中でもJollibeeが受け入れられている秘訣といえますね。
ジョリビーのメニュー
続いて、ジョリビーの定番&人気のメニューを紹介していきます!
フライドチキン
ジョリビーはハンバーガーショップですが、ジョリビー公式サイトでの「Best Sellar」ラインナップに、ほとんどフライドチキンが登場しているほど、ジョリビーでは一番人気の食べ物で、外はサクッとしていて中はジューシーで、とても美味しいと有名です。
チキンのセットメニューはかなり豊富です。スタンダードなものは、C1 フライドチキン&ライス&ドリンクのセットです。日本人にとってフライドチキンとライスの組み合わせは、何気に馴染みのないものですが、フィリピン人にとってはハンバーガーよりもオリジナルメニューであるフライドチキンとライスのセットの方が定番となっています。
ライス以外にもスパゲッティや、バーガーステーキ(ハンバーグ)、パラボック(茹でたビーフン麺に海鮮系のあんかけをかけたフィリピンの郷土料理)など、多様な組み合わせが用意してあります◎
フライドチキンには全てお肉のだし汁から作ったほんのり甘め、ちょっぴりスパイシーなグレイビーソースがセットになっています。チキンにつけてもよし、ごはんにまぜてもよし。チキン自体も味付けがしっかりされているので、ソースなしでも美味しくいただけちゃいます!
ジョリビーのフライドチキンですが、お好きな部位を選ぶこともできます!
それぞれの部位別のメモです。ぜひお好みの部位を注文してみてはいかがでしょうか♪
・LEG(脚)代表的な部位。小骨がなく食べやすい
・THIGH(腰)最も脂身が多い部位。食感がしっかりで食べ応えあり
・RIB(リブ)肋の部分。骨が多くあっさりしているが、旨みが強い
・BREAST(胸)脂身が少なくてあっさりした口当たり。低カロリー高タンパク
・R/W(胸/手羽)胸と手羽の中間の味わい
・WING(手羽)濃厚な味わいで、肉質がしっかりしている
また、1ピースあたり4ペソでピリ辛なスパイシーチキンにカスタマイズもできます。現地では、オリジナル味よりスパイシーチキンの方が人気なんだそうです。
Jolly Spaghetti(ジョリースパゲッティ)
柔らかめに茹でられた太麺パスタにバナナケチャップを使った甘味のあるソースと、コクのあるチーズがふりかけられた一品。輪切りのソーセージも入っていて、ボリューミーに仕上がっています。
日本人にとっては、味付けもかなり甘く、麺も普段日本で飲食店や家庭でいただくよりも柔らかい仕上がりに感じるようなので、好みは分かれるそうですが、完全に日本では味わえない食感や味のスパゲッティ…なんとも好奇心が沸いてきますね!
Yumburger
ジョリビーのハンバーガーは中はパテ1枚と、ソースのみというシンプルなデザイン。ケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースのようなものが入っていて、こちらも甘いお味。
基本のセットではレギュラー(普通)サイズのドリンクとフライドポテトが付いており、一部ハンバーガーだけの単品メニューが選べます。
もっとボリュームが欲しい方は、Champ(Yumbuegerより具材が追加されたハンバーガー)やチキンサンドウィッチバーガー(フライドチキンがサンドされたもの)などを注文するのがおすすめです!
左:Jolly Spaghetti、右:Yumburger
まだまだたくさんのメニューがあるよ!チェックしてみてね!
ジョリビー vs マクドナルド
マクドナルドやケンタッキーなどの世界的ファストフードチェーン店はフィリピンでも人気ですが、未だにそのシェアにおいてはジョリビーを越えることはありません。ジョリビーはフィリピンのファストフード界で不動の1位に君臨しています。
しかし、各国においてシェアNo.1の座を保っているマクドナルドが黙って見てはいません…!マクドナルドは他国ではなかなか見られないようなマーケティングをフィリピンで繰り広げています。
例えば、フィリピン食文化のキーポイントともいえるライスメニューに注目し、ジョリビー同様にチキンとライスセットのメニューを展開しています。メニューボードにおいても、ライス+チキンの「チキン・マクド」のセットが最も見えやすく大きな写真で掲載されており、もちろんビッグマックより「チキン・マクド」セットが人気です。
このように挑戦を続けているマクドナルドですが、現時点でジョリビーはおよそ1150拠点の店舗数を持ち、年間16億ドルの収益を上げています。 一方、フィリピンのマクドナルドの売上高はわずか650拠点で8億4500万ドルです。(※2022年時点では両者とも店舗数は増えていますが、ジョリビーの国内店舗数1,183店は、比マクドナルドの682店の1.73倍!依然大きな差がついたままです。)
…打倒ジョリビーへの道はまだまだ遠いようです。果たして王者は交代する時が来るのか、今後のフィリピンでのマクドナルドの戦略にも注目ですね。
ジョリビーのキャラクター、グッズ、コラボ
JollyなBee(ご機嫌な蜂)という店名の通り、赤い蜂のキャラクター「リトル・ジョリビー」がメインマスコットとなっています。
看板や店頭にいるだけでなく、子供の誕生日パーティーなどにもリトル・ジョリビーを呼ぶことができます。
ジョリビー30周年に向けて、2008年によりフィリピンのテレビ番組・GMAネットワークの子供向けプログラム「ジョリタウン(Jollitown)」が放映されたり、2012年にはマーベルの漫画本の出演を果たしたり…まさにフィリピンでは子供からも大人からも愛されているキャラクターですね。
最近ではフィリピンのユニクロとコラボし、フィリピン限定Tシャツをリリースしましたが、ジョリビーの愛着度アップに余念がありません…!
ジョリビーの海外進出情報
ジョリビーは米国、カナダ、香港、マカオ、ブルネイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、オマーン、クウェートとバーレーン、イタリア、スペインに270店あまりの国際支社を置いており、積極的な国際拡張計画に着手しています。
残念ながら日本進出は現在も未定となっていますが、もし日本にジョリビーがあったら、どのようなローカライズ商品が開発されるか気になりますね!
その他フィリピンでのチェーン飲食店
フィリピン国内では、もちろんジョリビーだけなく
- Chowking(中華料理)
- Greenwich(ピザ)
- Red Ribbon(ケーキ)
- Mang Inasal(フィリピン料理)
などの人気チェーン飲食店があり、フィリピンの食文化を支えています。
なんとこれらもJollibeeグループ(JFC: Jollibee Foods Corporation)の傘下であり、Jollibeeグループはジョリビーの拡大のみに留まらず、フィリピン国内のファストフード市場の56%をコントロールし、グループ全体で売上高が約3200億円というほどの大きな力を持っています。
おまけ:本物のジョリビーはどれでしょう
答えはこちら
答えは………No.5!正解できましたか?
まとめ
今回は、なぜフィリピンのファストフード店・ジョリビーがここまで愛されているのか、歴史や特徴、メニューなどを紹介いたしました。
元々ジョリビーを知っていた人も知らなかった人も、フィリピン人を虜にしているソウルフード、今一度味わってみたくなったのではないでしょうか?
ジョリビーが日本にいつやってくるのかはわかりませんが、それまで我慢できない人はぜひ現地へ行って、訪れてみてください!